スキンケアや化粧品に欠かせない素材として弊社が注目している国産の「モンモリロナイト」。
そのユニークな生成の過程や非常に多岐にわたる特性など、様々な角度からモンモリロナイトとはどんなものなのか?ご紹介します。
モンモリロナイトとは?
モンモリロナイトは「ベントナイト」と呼ばれる粘土の主成分であり、天然のクレイの一種です。
まずは粘土について簡単に解説します。
粘土と聞くと、子供の頃に遊んだ粘土細工を思い浮かべるかもしれません。
しかし成分で見てみるとスキンケア用の粘土と工作用の粘土の中身は全くの別物。
「粘り気のある土のようなもの」ということで工作用の粘土は名づけられたそうです。
対するスキンケア用の粘土は鉱物、つまり石の一種です。
鉱物はその粒子の大きさによって「礫」「砂」「シルト」「粘土」と分類されます。
粘土はその中でも最も粒子が細かく、直径は0.0039mm以下。毛穴(約0.2mm)の50分の1という驚くべき細かさです。
また、粘土は鉱物の中で唯一「二次鉱物」と呼ばれ結晶化した特性を持つため、独自の機能を発揮します。
ベントナイトとモンモリロナイトの関係
粘土の種類のひとつである「ベントナイト」は、石英や長石といった不純物を含みながら、その主成分としてモンモリロナイトを含んでいます。
つまり、モンモリロナイトはベントナイトの中でも中心的な役割を担う成分なのです。
ベントナイトの主成分であるモンモリロナイトは毛穴の2,000分の1という細かさを持ち、長い年月をかけて自然に研磨されてきたことで、粒子がたいへん滑らかです。
また、ケイ素やアルミ、ナトリウム、カルシウムなどが板状に重なり、水を含むとその間に入り込み膨らむ、膨潤や吸着と呼ばれる特性を持っています。
その特性は土壌改良や鋳物の型など、サウザンユウセス(千の用途がある)ともいわれるほど用途は多岐にわたります。
また、同じモンモリロナイトでも採掘される場所によっても特徴が変わります。
特に国産のモンモリロナイトはNa型と呼ばれ豊潤な保水力を誇り、外国産のモンモリロナイトとは大きく特徴が違います。
モンモリロナイトはどのようにしてできる?
モンモリロナイトの元となるのは火山灰です。
火山の噴火によって海底に降り積もった火山灰が適度な熱と圧力、そして長い時間をかけて結晶化し、粘土として形成されます。
日本は火山国であるため、良質なモンモリロナイトが採れる環境に恵まれています。
モンモリロナイトはこのようにして他の粘土にはない特性を持つようになります。
その特性の中でも、特にスキンケアに役立つ3つの力をご紹介します。
モンモリロナイトのスキンケアにおける3つの力
汚れを優しく「落とす」力
モンモリロナイトは界面活性剤を使用せずにお肌の汚れを吸着し、優しく落とすことができます。
微細な粒子が毛穴までしっかりアプローチし、皮脂や古くなった角質を取り除きます。
その結果、毛穴の黒ずみが目立ちにくくなり、肌をワントーン明るく見せることができます。
うるおいを「届ける」力
化粧水や保湿クリームは、モンモリロナイトに美容成分をたっぷりとくるみこませて作られています。
美容成分たっぷりのモンモリロナイトは肌でヴェールを形成。
モンモリロナイトのヴェールにより肌へしっかりと潤いを届けます。
乾燥から「守る」力
モンモリロナイトのヴェールは、肌へうるおいを届けるだけでなく、うるおいを逃がさず乾燥から守ってくれます。
また、通気性が良いのが特徴で、べたつき感がなく軽やかな使用感でありながら、お肌を乾燥から守ることができます。
上記のモンモリロナイトの力は多岐にわたる特性によって実現しており、サウザンユウセスの使い道にも利用されています。
粘土科学研究所の取り組み
粘土科学研究所では、モンモリロナイトをはじめとしたクレイの可能性を信じ、50年以上にわたりモンモリロナイトの研究を続けています。
特性を最大限に活かした製品開発をはじめ、雑貨や食品などへの応用や、環境問題に関しても可能性を感じています。
しかし、モンモリロナイトには製造を困難にする特性も同時に持ち合わせています。
粘土科学研究所ではその特性をうまく理解し、安定した製品を作る用日々研究を続けています。
モンモリロナイトを使用したスキンケア商品は、洗顔料、クレイパック、フェイスクリームなど多岐にわたります。
これらの製品は、汚れを落としながらうるおいを与える特性を活かし、多くの方々にご好評いただいています。
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