粘土科学研究所では、天然のクレイの一種であるモンモリロナイトを使用したスキンケア製品を製造しています。
大手化粧品メーカーが大規模な釜を使用するのに対し、当社ではあえて小規模な設備で手作業に近い方法を採用しています。
その理由は、モンモリロナイトの特性にあります。
本記事では、なぜモンモリロナイト化粧品の製造が難しいのか、そしてそれがどのようにお肌にとって嬉しい結果をもたらすのかを解説します。
モンモリロナイト化粧品の製造が難しい理由① 分散が難しい
モンモリロナイトの大きな特徴のひとつは大量の水を抱え込むことができる点です。
粘土科学研究所では、まず水にモンモリロナイトを混ぜる工程から製造を開始します。
この時に製造上難しい問題が発生します。
モンモリロナイトは大量に水を取り込むことでダマになりやすく、均一に分散させるのが非常に難しいのです。
機械だけでの攪拌では、どうしてもダマが残り、均一なテクスチャーに仕上げることができません。
そのため、職人が直接目で確認しながら、ヘラを使って丁寧に混ぜる作業が欠かせません。
また、大手化粧品メーカーでは1,000キロ以上の大釜を使用することが一般的ですが、当社では最大でも60キロの釜を使用しています。
このサイズであれば、すべての製品が均一に混ざっているかどうかを目視で確認できます。
このような製造方法で、なるべく品質を安定させるよう努力しています。
モンモリロナイト化粧品の製造が難しい理由② 防腐が難しい
モンモリロナイトの特徴として、吸着力が非常に高いことが挙げられます。
この吸着力によって防腐剤の成分がモンモリロナイトに取り込まれ、防腐力が弱まってしまうことがあります。
そのため、通常の化粧品に比べて防腐の処方が難しく、適切な防腐システムを組むことが求められます。
粘土科学研究所では、クレイの配合量や防腐剤の種類や配合バランスを慎重に調整しながら、品質を維持する工夫を行っています。
モンモリロナイト化粧品の製造が難しい理由③ 安定性がよくない
モンモリロナイトは水や美容成分を吸着する性質を持ちますが、気温や経時によってこれらを吐き出したり、分離したりすることがあります。
特に、高温や低温の環境では製品の安定性に影響が出るため、製造工程や保存条件を細かく管理する必要があります。
このため、長期間にわたる安定性試験やチャレンジテストを行い、最適な処方を見極めることが重要になります。
モンモリロナイト化粧品の製造が難しいが、お肌にはうれしいことも?
このように、モンモリロナイトはその特性によって製造に手間がかかりますが、その分、スキンケアにおいては多くの利点をもたらします。
1. 水を抱え込む力があるため、肌にうるおいを届ける
2. 天然のクレイが持つ特性により、化粧品に不要な添加物を減らせる
3. 微細な粒子が肌に密着し、心地よい使用感を生む
国産モンモリロナイトの保湿や吸着などの力を支える特性について、後日リンク
粘土科学研究所は「手の届く範囲をていねいに」をモットーに、職人の技術と科学的知見を融合させた製造を行っています。
手作業にこだわることで、天然モンモリロナイトの魅力を最大限に活かしたスキンケア製品を提供していきます。