粘土科学研究所が最も大切にしている成分、それは国産の天然クレイの一種モンモリロナイトです。
モンモリロナイトは、お肌に対して汚れを「おとす」、うるおいを「とどける」、乾燥から「まもる」という3つの働きを持っています。
しかし世界的に見るとモンモリロナイトが化粧品に使われている割合はごくわずか。
モンモリロナイトは実にさまざまな用途で利用されており、その多様性から「サウザンユウセス(千の用途を持つ)」とも呼ばれるほどです。
今回は、そんなモンモリロナイトの多彩な活用法をご紹介します。
生活に密着したモンモリロナイトの用途
実は私たちの日常生活でもモンモリロナイトがさまざまな場面で使われています。
たとえば、おむつに利用されていて、赤ちゃんの肌を快適に保つお手伝いをしています。
また、ワインの製造過程では澱(おり)を取り除くために使われ、ワインの透明度を高めています。
さらに、楽器の保管環境で湿度を調整するためにも活躍しています。
工業分野でのモンモリロナイトの活躍
モンモリロナイトは、その特性を生かして工業分野でも幅広く利用されています。実際、世界的な消費量の6~7割が工業用途。たとえば、農業では土壌改良剤として使われており、土の水分保持力を高めて作物の育ちをサポートします。
また、自動車部品などの鋳物製造では、金型の材料としてモンモリロナイトが活用されています。これにより、細かな形状の再現や耐熱性が求められる場面で効果を発揮します。
さらに、その膨張する性質を利用して、建築物の基礎工事で止水材としても使われています。地盤に打ち込んだ杭の周囲からの浸水を防ぎ、建物の安全性を高めています。
昔から親しまれてきたモンモリロナイト
生活に密着した利用法や工業用だけでなく、人類は昔からモンモリロナイトを生活に役立てていました。
たとえば羊毛の洗浄に利用されており、油脂でべたつく羊毛をきれいにするために活躍していました。その高い吸着性を活かし、天然の洗浄剤として機能していたのです。
また、約1000年前には、大仏の鋳造にもモンモリロナイトが使用された記録が残っています。
モンモリロナイトの意外な使い道
現代では、思いもよらないところでモンモリロナイトが活躍しています。
たとえばペット用品にも使われており、海老や熱帯魚のミネラル補給に利用されています。
また、キャットフードや猫用トイレの砂にも含まれていて、ペットの健康維持や清潔な環境づくりに役立っています。
さらに、建築素材としてもモンモリロナイトは注目されています。
壁材の塗料に加えることで、臭いを吸着したり湿度を調整する効果があり、室内環境の改善に一役買っています。
モンモリロナイトの無限の可能性
このように、多岐にわたる用途で活躍しているモンモリロナイト。
粘土科学研究所では、モンモリロナイトの可能性をさらに広げるために研究を重ねています。
スキンケア分野では、モンモリロナイトの汚れを落とす力やうるおいを届ける性質に注目し、肌を健やかに保つための新たな製品開発にも取り組んでいます。
私たちは、モンモリロナイトの未知なる可能性を探索し続けています。
その魅力を皆さまにも感じていただければ幸いです。