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粘土科学のお役立ち情報

目次

天然のクレイの一種モンモリロナイトは、汚れを取り除きながらもうるおいを保持する特性を持っています。
粘土科学研究所では、この特性を活かして洗顔料や化粧水、フェイスクリーム、クレイパックなどを開発しています。

しかしモンモリロナイトの活用はスキンケアだけにとどまりません。
工業用や農業用からペット用など多様な用途に用いられ、「サウザンユウセス(thousand uses)」とも呼ばれてきました。

今回はその中でも現在は別の素材に取って代わられた、歴史的な利用方法をご紹介します。

モンモリロナイトの様々な用途について、後日リンク

羊毛の脱脂 ~ ローマ時代のフュラー ~

時代はローマ。
フュラーと呼ばれる職業の人々は羊の毛を刈る仕事をしていました。刈りたての羊毛は脂が多くつくため、取り除く作業が必須でした。

当時は中性洗剤がなかったため、水だけでは落ちないこの脂を取り除くのに使われていたのがモンモリロナイト。


モンモリロナイトは脂を包み込む性質を持っており、羊毛の汚れを効果的に吸着していたのです。
この技術は近代の洗浄技術が発展するまで、さまざまな地域で利用されていました。

鬢付け油落とし ~ 江戸時代の相撲界 ~

日本でも似たような活用法がありました。
江戸時代から昭和初期にかけて、お相撲さんたちは「鬢付け油」という特別な油を使って髷を結っていました。
しかしシャンプーが普及していなかった当時、この油を落とすのは一苦労でした。

そこで登場したのがモンモリロナイト。
粘土の吸着力を利用し、鬢付け油を包み込んで洗い流していたのです。
現代では専用のクレンジング剤が使われていますが、昔の人々は自然素材を上手に活用していたことがわかります。

鋳型としての活用 ~東大寺の大仏にも~

モンモリロナイトは古くから金属の鋳型としても活用されてきました。

その歴史は1300年以上に及び、奈良の東大寺の大仏の製造にも用いられたとされています。
大仏を作る際には、銅を高温で溶かし鋳型に流し込む必要があります。
この鋳型の素材としてモンモリロナイトが含まれる粘土が使われていました。


現代でも金属加工の分野で鋳型の材料として活躍しています。

クレオパトラの美容法 ~古代エジプトのスキンケア~

モンモリロナイトはスキンケアにも古くから利用されていました。
世界三大美女の一人とされるクレオパトラもクレイを使って肌をケアしていたと伝えられています。


当時のクレイは精製されていなかったため、ベントナイトのような天然の粘土が使われていたと考えられますが、モンモリロナイトの特性はすでに活用されていた可能性があります。

自然の恵みを取り入れた美容法は、現代のスキンケアにもつながるものがあります。

モンモリロナイトと界面活性剤の違い

昔の人々は、脂や汚れを落とすためにモンモリロナイトをはじめとするクレイを利用することがありました。

しかし現代ではより安定した洗浄力を持つ中性洗剤が一般的になっています。
これはモンモリロナイトが天然物であるため、洗浄力にばらつきがあることが理由のひとつです。

一方で界面活性剤を含む洗浄料は皮脂を取りすぎる場合があり、肌への影響が懸念されることもあります。
粘土科学研究所では、この両者の特性を活かし、モンモリロナイトの力を最大限に引き出しながら植物由来の界面活性剤を適切に組み合わせることで、肌にやさしいスキンケア製品を開発しています。

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