毎日の洗濯を地球にやさしい時間に変えたい、そんな想いから、天然クレイの一種モンモリロナイトを主成分とした洗濯洗剤の開発が進んでいます。
本記事では、従来の洗濯洗剤が抱える環境課題を整理しつつ、モンモリロナイトがどのようにプラスの力を発揮できるのかを解説します。
洗濯洗剤が抱える 3 つの環境課題
次に挙げる課題は従来型洗剤を選ぶ際にしばしば話題になるポイントです。
なぜ議論されるのか、その背景から確認しましょう。
1. 生分解性の遅さ
合成界面活性剤は高い洗浄力の一方で、自然界で分解されるまでに時間がかかります。
その間、河川や海に残存しやすい点が課題です。
2. 富栄養化を招くリン・窒素
カルシウムやマグネシウムを多く含む固い水は洗浄力低下を引き起こします。
それを取り除く軟水化目的でリンや窒素が配合されますが、海へ流れ出るとプランクトンが過剰増殖し赤潮の原因になることがあります。
3. マイクロプラスチックの流出
ボトル・詰替えパックなどの樹脂が細片化し、5 mm以下になると海洋生物の体内に取り込まれやすくなります。
モンモリロナイトが課題解決をサポートする仕組み
ここからはモンモリロナイトを配合した洗剤が、前述の課題にどのように寄与し得るのかを見ていきます。
生分解性をサポート
モンモリロナイトは鉱物由来のため環境負荷になることはありません。
補助洗浄剤として石けん成分を組み合わせれば、高泡力の合成界面活性剤を大幅に削減でき、分解までの時間も短縮しやすいといえます。
富栄養化リスクの低減
クレイ層間のイオン交換作用で、リン・窒素を使わずに硬水中のカルシウム・マグネシウムを吸着することができます。
結果として排水のリン・窒素濃度が抑えられ、赤潮発生リスク低減の一助となります。
容器課題への対応
ペースト形状にすることで 紙チューブ・アルミ缶 など、再資源化しやすい容器選択が可能となり、プラスチック使用量そのものを減らし、マイクロプラスチック発生源を抑制することができます。
既存洗剤との違いと、あえてクレイを選ぶ理由
「最近の洗剤は環境配慮型が増えているはず。それでもクレイ洗剤が必要?」そんな声も聞こえてきそうです。
確かに 2020年代以降、市販洗剤は生分解性や排水処理への配慮が進み、環境問題が大きな社会問題になった頃に比べれば河川もきれいになりました。
しかし環境負荷を減らすために界面活性剤などの削減には限界があると考えます。(引き算)
そこで私たちが提唱したいのは使うことによる環境を改善する方向へと働きかけることです。(足し算)
- 従来:環境への悪影響をできるだけ減らすことが目標→引き算の考え方
- クレイ洗剤:環境を改善する方向へ働きかけることを目指す→足し算の考え方
モンモリロナイト洗剤が目指す「足し算」の発想
モンモリロナイトには、土壌中でCO2を固定化したり海水中で余剰プランクトンをフロック化させて沈降させる働きが報告されています。
そのため、洗剤として日常的に使用することで次のような“環境プラスを見込む設計が可能です。
- 炭素貯蔵 → CO₂ 放出速度を緩和し地力維持をサポート
- 赤潮対策への寄与 → 排水中の富栄養化因子であるプランクトンをクレイが吸着
こうした使えば使うほど環境にプラスを積み上げる設計思想が、クレイ洗剤の大きな価値と考えています。
引き算だけでなく、足し算できる洗濯を
- 洗濯洗剤の主要課題は 生分解性・富栄養化・マイクロプラスチック
- 天然クレイの一種モンモリロナイトは、これらをまとめてサポートしつつ環境プラス効果も期待
- 既存洗剤に満足している方にも、さらに一歩先のサステナブルを提案できるポテンシャルがある
当社のクレイ研究 × OEMノウハウにより、洗濯洗剤のような製品もスムーズに開発可能です。
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