天然のクレイの一種モンモリロナイトは、スキンケアにおいて汚れを吸着しながらもうるおいをキープする特性を持つため、洗顔料や化粧水、クリーム、パックなどの製品に広く活用されています。
しかしモンモリロナイトの用途は化粧品だけにとどまりません。
その多様な機能性から、日常生活や工業分野、さらには伝統的な用途としても幅広く使われ、サウザンユウセス（千の用途）ともいわれています。
今回は、多種多様な利用法があるモンモリロナイトの「意外な使い道」をご紹介します。
アクアリウムにモンモリロナイト
モンモリロナイトは土壌改良材として農業でも活用されているほど高いミネラル補給能力を持っています。
この特性を活かし、アクアリウムでも使用されることがあります。
特に熱帯魚やエビの水槽では、モンモリロナイトが水中のミネラルバランスを整え、健康維持に役立つと考えられています。
また、吸着力に優れることから、水の濁りを抑えるためのフィルターとしての役割も果たします。
さらに一部のエビの飼育者の間では、エビの色素がより鮮やかに発色するとも言われ人気を集めています。
なお、市販されているアクアリウム用のモンモリロナイトは、当社がスキンケアに使用するものとは異なり、他のミネラルを含む配合がなされている場合があります。
壁の塗料や楽器に、湿度調整としてのモンモリロナイト
モンモリロナイトは「ミュージックモイスチャー」として、湿度が高いときには水分を吸収し乾燥しているときには水分を放出する調湿効果を発揮します。
この性質を活かし、住宅の壁材としても利用されています。
また、消臭効果にも優れており、壁に塗ることで空間のにおいを軽減する働きをします。
これは歯磨き粉などに使用される際と同じく、単に香りでごまかすのではなく、においの元を吸着することで消臭する仕組みによるものです。
さらに、モンモリロナイトの可塑性（力を加えると柔らかくなり、放置すると硬化する特性）により、塗りやすく乾燥後はしっかりと壁に密着するため、建築材料としても適しています。
キャットフードにも？
モンモリロナイトは動物の健康維持にも活用されています。
自然界ではコンゴウインコなどの鳥類がデトックスやミネラル補給のために粘土を摂取することが知られています。
この特性に着目し、キャットフードにモンモリロナイトを配合するケースも増えてきました。
キャットフードに含まれるモンモリロナイトは、腸内環境を整え、便通の改善に役立つと考えられています。
また、ミネラルを補給することで猫の健康をサポートする役割も果たします。
モンモリロナイトの可能性は無限大
化粧品だけでなく、アクアリウム、水質改善、建築材料、ペットフードと、さまざまな分野で活用されるモンモリロナイト。
その多機能性から、新たな利用法が次々と生まれています。
粘土科学研究所では、モンモリロナイトの特性を最大限に活かしスキンケア製品の開発に取り組んでいます。
汚れを「落とす」、うるおいを「届ける」、乾燥から「守る」という3つの働きを通じて、肌に寄り添うスキンケアを実現しています。
今後も、モンモリロナイトの可能性を追求し、新たな用途の開拓を続けていきます。
