クレイ(粘土)は、スキンケアにおいてさまざまな用途で活用されています。
中でも粘土科学研究所が特に注目し、スキンケアに適していると考えているのが天然のクレイの一種、国産の「モンモリロナイト」です。
しかし世の中にはモンモリロナイト以外にも多くのクレイが存在し、その中にはスキンケア向きとされるものもあります。
今回は、モンモリロナイト以外でスキンケアによく使われる代表的なクレイの一つである「ガスール」についてご紹介します。
ガスールの特徴とは?モンモリロナイトとの違い
ガスールはモロッコの一部で採れる粘土鉱物で、古くから現地の女性たちが水やハーブと混ぜスキンケアやヘアパックとして使用してきました。
その名の由来は、アラビア語で「洗い清める」という意味を持つ「ラサラ(Rassala)」にあります。
一方ガスールを詳しく調べると、モンモリロナイトやイライト、そのほかの鉱物の混合物であるブランドクレイであることがわかります。
では、モンモリロナイトも含んだ混合物(ブランドクレイ)のガスールと粘土科学研究所が使用している、ほぼ成分クレイである精製度約98%の国産のモンモリロナイトの特性はどのように異なるのでしょうか?
ブランドクレイ、成分クレイについて、後日リンク
【実験】ガスールとモンモリロナイトの水保持力の違い
クレイのスキンケアにおける特性のひとつに、「水を抱え込む力」があります。
これが保湿や使用感に大きく影響を与えます。
ガスールと国産モンモリロナイトの水を抱え込む力の実験をしました。
実験方法
それぞれのクレイ0.5gに対し、24.5gの水を加え、2%溶液を作成
しっかりかき混ぜた後、沈殿の有無を観察
実験結果
ガスールはすぐに水に分散しますが、攪拌を止めるとすぐに沈殿しました。
一方モンモリロナイトはダマになりやすいものの、適切に混ぜると水を均一に抱え込み、ほとんど沈殿しないことがわかります。
この結果から、ガスールは水をほとんど保持できないのに対し、モンモリロナイトはしっかりと水を抱え込む性質を持つことが分かります。
モンモリロナイトとガスールの違いを整理
クレイの種類 | 水を抱え込む力 | 使用時の特徴 |
モンモリロナイト | 非常に強い | 水をたっぷり含むため乾燥しにくい |
ガスール | ほとんどなし | 乾燥しやすいため、長時間の使用は注意が必要 |
ガスールは水を保持する力が弱いため、長時間肌に乗せると水分が奪われ乾燥を引き起こす可能性があります。
しかし、適切な時間で洗い流すことで汚れをしっかり落とすことができます。
一方、モンモリロナイトは高い水保持力を持ち、肌にうるおいを与えながらクレイパックとして活用できます。
この特性を活かしたスキンケア製品を開発することで、乾燥しにくく、やさしい使用感のクレイパックを作ることができます。
まとめ
ガスールとモンモリロナイトはどちらもスキンケアに利用されるクレイですが、水を保持する力に大きな違いがあります。
特に、モンモリロナイトは水をしっかり抱え込むことで乾燥しにくく保湿性の高いスキンケアが可能です。
粘土科学研究所では、こうしたモンモリロナイトの特性を活かし、スキンケアやOEM製造に取り組んでいます。
クレイを活用した化粧品開発を検討されている方は、ぜひ粘土科学研究所の専門技術を活かしてみてください。