モンモリロナイトはスキンケアにおいて優れた特性を持つ天然のクレイの一種です。
毛穴の汚れを吸着し、肌にうるおいを届ける力を持つため、粘土科学研究所では多くの化粧品に活用されています。
しかしモンモリロナイトと一口に言っても、産地によってその性質には大きな違いがあります。
本記事では、特にヨーロッパ産と国産(山形産)のモンモリロナイトを比較し、それぞれの特徴や保水力の違いについて詳しく解説します。
モンモリロナイトの産地ごとの違い
モンモリロナイトはもともと火山灰が長い年月をかけて変化した粘土鉱物です。
そのため採取される地域の土壌環境によって含まれる成分や特性が変わります。
特にヨーロッパ産のモンモリロナイトはカルシウム(Ca)型が多く、国産のモンモリロナイトはナトリウム(Na)型が主流です。
この違いがスキンケア製品における使用感や機能性に影響を与えます。
実験:モンモリロナイトの保水力比較
スキンケア製品において重要な要素の一つが「保水力」です。
化粧水やクリームに配合された場合、水分をどれだけ抱え込めるかが肌のうるおいを保つ鍵となります。
以下の実験を行い、ヨーロッパ産(Ca型)と国産(Na型)のモンモリロナイトの保水力を比較しました。
実験方法
1. 同量のヨーロッパ産(Ca型)モンモリロナイトと国産(Na型)モンモリロナイトを用意。
2. それぞれに同量の水を加え、変化を観察。
3. 水を加えた直後と一定時間後の状態を比較。
実験結果
・ Ca型モンモリロナイト(ヨーロッパ産):水を吸収するが、膨潤しきった後は余分な水が残る
・ Na型モンモリロナイト(国産):時間が経ってもさらに膨潤し続け、水を抱え込む力が強い
この結果から、Na型モンモリロナイトは保水力が高く、スキンケア製品において保湿力を向上させるのに適していることがわかります。
Na型とCa型の特徴の違い
モンモリロナイトの種類 | 保水力 | 使用感 | 適した用途 |
Na型(国産) | 高い | しっとり、粘度が高い | 保湿クリーム、ローション |
Ca型(ヨーロッパ産) | 低い | サラサラで混ぜやすい | 手作り化粧品、フェイスパック |
国産モンモリロナイトの特性を活かしたスキンケア製品の開発
粘土科学研究所では、国産のNa型モンモリロナイトの特性を活かしたスキンケア製品の開発に力を入れています。
特に、Na型モンモリロナイトは粘度が高いため、スキンケア製品に均一に分散させる技術が求められます。
粘土科学研究所では独自の製造プロセスを用いて、ダマになりやすいNa型モンモリロナイトを均一に配合し、滑らかな仕上がりを実現しています。
国産モンモリロナイトの持つ優れた保水力を最大限に活かし、肌にやさしく、うるおいを長時間キープできるスキンケア製品の開発を続けています。
まとめ
モンモリロナイトは産地によって性質が異なります。
ヨーロッパ産にはCa型が多く含まれ、保水力はそれほど高くありませんが、サラサラした使用感が特徴です。
一方、国産のNa型モンモリロナイトは高い保水力を持ち、スキンケア製品の保湿力を高めるのに適しています。
さらに国産のNa型モンモリロナイトの中でも少しずつ特徴が違うのもポイントです。
粘土科学研究所では国産モンモリロナイトの特性を理解し、その組み合わせの中からうるおいを長時間キープできるスキンケア製品の開発に取り組んでいます。
その魅力をより多くの方に知っていただけるよう、今後も研究を続けていきます。