天然のクレイの一種モンモリロナイトは、スキンケア製品において汚れを「落とす」、うるおいを「届ける」、乾燥から「守る」という特性を持ち、化粧水やフェイスクリーム、クレイパックなどのスキンケア製品に幅広く活用されています。
しかしモンモリロナイトの用途は化粧品だけにとどまりません。
その多機能性から「サウザンユウセス(thousand uses)」とも称され、工業分野をはじめ、私たちの生活のあらゆる場面で利用されています。
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生活密着について、後日リンク
今回は、その中でも特に興味深い農業や工業分野での活用法をいくつかご紹介します。
土壌改良剤としてのモンモリロナイト
農業分野においてモンモリロナイトは土壌改良剤として活用されています。
モンモリロナイトには多くの水分を保持する性質があり、乾燥した土壌に水分を供給する役割を果たします。
また、肥料の成分を保持し、必要に応じて徐々に放出する「イオン交換」の特性も備えています。
これにより、土壌の保水性や栄養バランスが改善され、農作物の成長を助けるのです。
鋳型(いがた)製造への応用
鋳型とは、溶かした金属を流し込んで成形するための型のことです。
自動車や建設機械などの金属製品を製造する際に欠かせない工程ですが、この鋳型の材料としてモンモリロナイトが使われています。
土と水を混ぜて圧縮し、強固な鋳型を作る際にモンモリロナイトの粘着性が役立ちます。
実際に、世界で消費されるモンモリロナイトの約70%はこの鋳型製造に使用されていると言われています。
建築現場での止水壁としての利用
大規模な建築工事では地下水の管理が重要な課題となります。
杭を打つ際に地下から水が湧き出し、作業の妨げになることがあります。
そこでモンモリロナイトを利用した止水壁を設けることで、水の流入を防ぐことが可能になります。
モンモリロナイトの優れた吸水性により、水分を抱え込んで地盤の安定化を助け、安全な建設作業を支えます。
廃棄物処理における漏水防止材
廃棄物処理場ではゴムや塩化ビニールのシートが使用されていましたが、経年劣化による破損が問題となっていました。
そこでモンモリロナイトを活用することで、より高い漏水防止効果が得られるようになりました。
二重の防水シートの間にモンモリロナイトを挟むことで、シートが破損した場合でもモンモリロナイトが水分を吸収し、膨張することで漏水を防ぐ仕組みが採用されています。
モンモリロナイトの活用はスキンケアにも
今回ご紹介したように、モンモリロナイトは土壌改良や鋳型製造、建築、廃棄物処理など、多様な分野で活用されています。
しかしその優れた特性を最大限に活かす用途のひとつがスキンケアです。
天然クレイの力を活かし、肌にやさしく、うるおいを守るスキンケア製品の開発を行うことは、私たち粘土科学研究所の専門分野でもあります。
モンモリロナイトの特性を活かしたスキンケアについて詳しく知りたい方は、ぜひ当研究所の取り組みをご覧ください。