クレイ(粘土)は、スキンケアや化粧品に幅広く活用されている自然由来の素材です。
特に粘土科学研究所では、国産のモンモリロナイトを主材とした製品を開発しています。
しかし、スキンケアに使われるクレイにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる特性を持っています。
今回は成分クレイに分類される「イライト」について詳しく解説し、そのスキンケアへの応用可能性を探ります。
成分クレイとブランドクレイの違い
スキンケア市場では「クレイ」という言葉が広く使われていますが、粘土科学研究所では以下の2つに分類しています。
成分クレイとは?
成分クレイは鉱物学的に分類される純粋なクレイを指します。
特定の結晶構造や化学組成を持ち、クレイの特性(吸着力、膨潤性など)が明確に決まっています。
代表的な成分クレイには、モンモリロナイト、カオリナイト、イライトなどがあります。
ブランドクレイとは?
ブランドクレイは産地や見た目、マーケティング上のネーミングによって分類されるクレイです。
例えばピンククレイやガスールなどが該当します。
これらのクレイは、複数の成分クレイが混ざっていることが多く、必ずしも単一の鉱物ではありません。
ブランドクレイと成分クレイについて、後日リンク
イライトとは?
イライトは成分クレイの一種であり、モンモリロナイトなどと同じグループです。
しかし水を含んでも全く膨潤しないため、スキンケアでは違うグループとしてご紹介します。
イライトは以下のような特徴を持ちます。
イライトの主な特性
・吸着力:モンモリロナイトほどではありませんが、イライトも適度な吸着力を持ち、余分な皮脂や汚れを取り除く働きがあります。
・ミネラル豊富:カリウムを多く含み、肌のキメを整えるのに役立つとされています。
・滑らかな質感: イライトの粒子は比較的細かく、クレイパックや化粧品に使用すると、心地よい塗り心地を実現できます。
モンモリロナイトとの違い
特性 | モンモリロナイト | イライト |
吸着力 | 非常に高い | 適度に高い |
膨潤性 | 高い(水を含むと膨らむ) | 低い(形状を保ちやすい) |
主要成分 | ナトリウム・カルシウム・マグネシウム | カリウム・アルミニウム |
肌への作用 | しっとり感を与える | サラサラな仕上がり |
使われ方 | 保湿クリーム、クレイパック、洗顔料 | フェイスパウダー、スクラブ、マスク |
このように、モンモリロナイトは保湿力に優れイライトは肌を滑らかに整える効果が期待されます。
そのため、目的に応じて使い分けることが重要です。
イライトのスキンケアへの応用
イライトの特性を活かし、スキンケア製品にさまざまな形で配合されています。
クレイパック
イライトの微細な粒子が肌表面の汚れを吸着し、さっぱりとした洗い上がりを実現します。
特に脂性肌や混合肌の方に適しています。
スクラブ・洗顔料
イライトの滑らかな質感を活かし、スクラブや洗顔料に配合することで優しく角質を除去しながら肌に負担をかけにくい処方が可能です。
フェイスパウダー
イライトのカラー特性を活かし、フェイスパウダーとして利用すると自然なトーンアップ効果が期待できます。
まとめ
イライトは、適度な吸着力とミネラルバランスの良さが特徴の成分クレイで、スキンケア製品にも多様な形で活用されています。
特にモンモリロナイトと比較すると、サラッとした仕上がりを求める製品に適しています。
粘土科学研究所では、モンモリロナイトを中心としつつも、クレイの特性を活かしたさまざまな製品開発を進めています。
OEMを検討されている企業の方は、ぜひクレイの特性を活かした商品設計についてご相談ください。